安倍首相のお詫び会見から考えたこと
6/19、安倍首相が今国会の運営についての記者会見を行った。
加計学園という自身の問題で、共謀罪という世紀の悪法を強硬に成立させておいて今更、
と怒る気持ちを抑えつつ、とりあえず批判するならば全部見なければならないと思い、
40分間の記者会見を視聴させていただいた。
冒頭では、加計学園問題における議論の深まらなさと、自身の国会中の態度について、反省の弁を述べていた。勝手に審議を打ち切っておいて、本当に何をいっているんだか。
共謀罪(テロ等準備罪)については、国際社会でテロが頻発する中、東京オリンピックを開催するためには法整備が必要であるという、いつも通りの政府の立場から答えであった。
皇室典範や有効求人倍率、農業改革などに言及があったのち、国家戦略特区法ついて触れた。
これについては、企業が農地を取得することを可能にする、また学校教育において民間の知恵を借りることができる制度を整えてきたようだ。この点に関しては、私が関わる業種にとって大変プラスとなるので、大変ありがたいものである。
国家戦略特区法そのものは、今回のように公平性、透明性を欠かなければ、かなり国民にとって良い制度だと思う。獣医学部を設立する大学を、加計学園でなく、京都産業大学にしておけば、今国会の混乱というのはなかったのではないだろうか。
この記者会見を見て思ったのは、国会中継を見るよりも勉強になったということである。
正直、国会を見ていても、専門用語が飛び交い、国民目線でなく、それぞれが政治家の立場、官僚の立場、与党、野党の立場で意見を言うだけなので、議論が深まらず、視聴している私もさっぱり理解できない。
そんな国会中継よりも、総理大臣の一般に向けての記者会見の方が、今国会で起こったことを要約するするのに役立った、と言うのが今回の結論である。
民進党の蓮舫代表にも、与党の批判だけでなく、やはり党としてのビジョンや自民党との違いなどを、一般に向けてわかりやすく語っていただきたい、と思った。
蓮舫代表は、問題点を追求する能力に長けた政治家だが、国民が野党第一党として民進党の党首に望んでいることは、責任を全うできる人物なのだ。
かなりきついことを言えば、共謀罪が成立するならば、党首を辞任するぐらいの決意で国会に臨んでいただきたかった。
多くの国民は、専門用語がわからないからこそ、本質的な部分で政治を見極めるしかない。
野党に求められる本質とは、ただ政争の具として議論しているのか、それとも本気で政治を変えようと思っているのか、である。
ただ批判しているだけでは、本気度が国民に伝わらない。
蓮舫代表には、民進党の代表として安倍総理と同じく今国会のあまりのお粗末さを謝罪するくらいの、
やり方の転換がなければ、いくら内閣の支持率が落ちたところで、また復活してしまうのは目に見えている。
民主政治が復活するためには、民進党が強くならなければならない。
そのための政治手法を見直し、本質的に変わっていってほしい。